看板ができるまでの製作工程|ヒアリングから施工完了まで全ステップ解説
看板はどのような工程を経て完成するのか。ヒアリング・デザイン・素材加工・施工・完工検査まで、看板製作の全プロセスを森看板工芸が詳しく解説します。初めて看板を発注する方必見の内容です。
看板製作はどのように始まるのか
「看板を作ってほしい」とご連絡いただいてから、実際に店舗やビルに看板が設置されて「完成」を迎えるまでには、多くのプロセスが絡み合っています。初めて看板を発注される方の多くが「こんなに手順があるとは思わなかった」とおっしゃるほど、看板製作は奥深い世界です。 看板づくりは単なる「モノ作り」ではありません。お客様のビジネスや施設の目的を理解し、設置場所の環境を調査し、法規制を確認したうえで最適な設計を行い、素材の加工・印刷・組み立てを経て、安全に設置する。このすべてのプロセスが連動して初めて、長く機能する看板が完成します。 本稿では、ご相談から完工検査まで看板製作の全ステップを順番に解説します。各工程でお客様に確認いただく内容や、工程が前後した場合のリスクも含めて説明しますので、初めて看板を発注される方のガイドブックとしてお読みください。標準的な壁面看板・自立看板を例に説明しますが、種類によって工程の詳細は異なります。
第1ステップ:ヒアリングと現地調査
看板製作の最初のステップは、お客様のニーズを正確に把握することです。「どんな看板を設置したいか」「どの場所に設置するか」「予算はどのくらいか」「いつまでに必要か」という4つの基本情報を中心に、業種・ターゲット顧客・ブランドイメージなどについてもお話を伺います。 ヒアリングと並行して行われるのが現地調査です。設置予定場所に実際に赴き、建物の構造(外壁の素材・厚み・下地の状態)、設置高さ、周辺の交通量・視認できる角度、近隣の看板との関係、電源の有無(電飾看板の場合)などを詳細に確認します。 現地調査なしの看板製作はリスクが高く、「設置当日に壁の下地が薄くてビスが入らなかった」「電源が遠くて配線工事が大掛かりになった」「想定より看板が目立たない場所だった」といったトラブルの多くは現地調査の省略が原因です。特に大型看板や電飾看板、屋上・高所への設置は必ず現地調査を実施します。現地調査には追加費用がかかる場合と無料対応の場合があるため、事前に確認しておきましょう。
第2ステップ:デザイン制作と確認
ヒアリングと現地調査の内容をもとに、デザイン制作に入ります。実際のデザインはAdobe IllustratorやPhotoshopなどのDTPソフトを使って制作され、設置した際のイメージをお客様にご確認いただくために「完成予想図(パース)」を作成する場合もあります。 デザイン制作では、文字の読みやすさ(可読性)・遠距離からの視認性・夜間照明との相性・条例が定める色彩基準への適合性などを総合的に考慮します。ロゴマークやキャラクターをお持ちの場合は、原稿データ(AIファイル等のベクターデータが理想)をご提供いただくとデザインへの組み込みがスムーズです。 デザインの確認は通常2〜3回の修正対応を含み、お客様のOKサインが出た段階でデザインを「確定」します。デザイン確定後に変更が生じた場合、素材の加工や印刷をやり直す必要が生じる場合があるため、デザイン確認は慎重に行ってください。「文字の一字」「電話番号の一桁」のような細かなミスもこの段階で発見することが重要です。デザイン費用は案件規模や修正回数によって異なります。
第3ステップ:許可申請と素材加工
デザインが確定したら、並行して「屋外広告物の許可申請」と「素材加工」が進められます。 許可申請が必要かどうかは看板の大きさ・設置場所・自治体によって異なりますが、一定規模以上の看板や、道路に近接・高所に設置する看板はほぼ申請が必要です。仙台市の場合、申請から許可取得まで2〜4週間程度かかるため、この期間を製作スケジュールに組み込んでおくことが重要です。 素材加工は確定したデザインデータをもとに進みます。アルミ複合板への大判インクジェット印刷・アクリルのレーザー加工・ステンレスのウォータージェット切断・スチールの溶接加工など、素材と仕様に応じた加工機械と職人の技術が組み合わさって看板の「本体」が完成します。電飾看板の場合はLEDモジュールの取付、配線、点灯確認も工場内で実施し、出荷前の品質チェックを行います。 加工期間は看板の種類・複雑さ・数量によって異なりますが、標準的な壁面看板で1〜2週間、大型自立看板や複雑なチャンネル文字では3〜4週間を要することがあります。
第4ステップ:施工(取付工事)
看板本体が完成したら、いよいよ現地での施工工程に入ります。施工は「段取り(養生・仮組み)→取付工事→仕上げ・清掃」という流れで進みます。 壁面看板の場合、外壁に対してアンカーボルトや専用金具で固定します。コンクリート・ALC板・鉄骨・木下地など建物構造によって使用する金具と施工方法が異なり、下地調査(現地調査で実施)の結果に基づいて最適な固定方法を選定します。高所作業が必要な場合は足場の仮設・高所作業車の手配が伴い、これらの費用は施工費に含まれます。 電飾看板では電気工事士の資格が必要な配線作業が加わります。既存の電源から分岐する場合も、新たに電源を引く場合も、安全な配線施工と漏電防止対策が必須です。施工当日は天候が重要で、雨天・強風時は品質と安全のために施工を延期することがあります。施工スケジュールは余裕を持って計画し、予備日を設けておくと安心です。 施工完了後、作業員が足場から降りる前に取付状態・水平・傾き・電飾の点灯確認を行い、問題がなければ現場を片付けて「施工完了」となります。
第5ステップ:完工検査・引き渡し、そしてアフターフォロー
施工完了後、担当者がお客様と一緒に完工状態を確認する「完工検査」を行います。設置位置・仕上がりの品質・電飾の動作・取付強度の目視確認など、施工仕様書と照らし合わせながら確認を進めます。問題がなければお客様のサインをいただき、正式に「引き渡し完了」となります。 この段階で「保証書」が交付されます。保証内容は業者によって異なりますが、施工不良(取付金具の脱落・施工ミスによる傾き等)に関しては一般的に1〜3年の保証が付きます。素材の経年劣化や自然災害による損傷は保証対象外となることが多いため、保証範囲を確認しておいてください。 看板設置後のアフターフォローも重要です。電飾看板のLED球切れ、シートの剥がれ・退色、取付金具の緩みなどは経年で発生します。森看板工芸では施工後のメンテナンス・定期点検・修繕にも対応しており、設置後も継続的なサポートを提供しています。「看板は設置したら終わり」ではなく、長く使い続けるためのパートナーとしてお付き合いいただけるよう、看板のライフサイクル全体をサポートすることが私たちのモットーです。